人間の不幸の元をショウペンハウワーがどう考えていたのかを前回の記事でみてきた。
一つは根本的な「苦」。2つは生活していく上で対処可能は苦悩と倦怠だった。
他者(ここではショウペンハウワー)の考えを知ることは大事だ。そして、彼を通して不幸の正体を知ることは大事だとも感じた。
今回は人間の行動の原動力たる「欲望」についてみてみたい。
欲望は穴の開いた水がめに水を貯めるようなもの?
あれも欲しいこれも欲しいという欲望。
人間の欲望は際限がないとショウペンハウワーはいう。
望むものを手に入れるや否や、すぐ飽きてしまい、常に同じような渇きを感じながら生きていくのが人間である。
人は欠乏を感じそれを埋めたいという欲望を抱く。その欲望を満たすことができたら、それが当たり前になって、また新しい欠乏が生まれ欲望が芽生える。
エンドレスループだという。それを「穴の空いた水がめに、ふるいで水を汲む」ことにショウペンハウワーは例えた。
・・穴の空いた水がめに水を入れるだけでも不毛なのに、「ふるい」で水を汲むってそもそも水が汲めないよね?そんなに人間の欲望って際限ないのか?
ちょっと考えてみよう。
1億手に入れた、よし、2億だ、3億だ・・・100億だ?
そんなに無限にお金が欲しいかな?
確かにある程度は、欲望は肥大していきそうだけど、穴の空いた水がめにふるいで水を入れるような不毛さは、私の欲望にはないと思うけど。
自己分析が甘いのか?
ショウペンハウワーの時代は世界がまだ貧しく欠乏が多かったから、そう考えたのか?それとも私も追い詰められれば、本来の貪欲な欲望がループし始めるのか?
このあたりは各人でそのときそのときで、考える必要があるのだろう。
欲望はある程度は際限がないということは私も認める。
欲望を追っかけているだけでは、次つぎ新しい欲望がでてくるのだから永遠に不足したままだ。
ショウペンハウワーは、欲望にきりがないのであればそもそもの「欲望を減らす」ことをせよという。
では、どうやって減らしたらいいんだろう?
欲望から新しい発明も生まれるから、すべての欲望が悪いとは私は思わない。
際限ない貪欲な欲望がまずいのだろう。
際限ない欲望をどうやって減らしたらいい?私は頭を抱えてしまった。
これに対する答えも読み進めていくとわかるのだろう。ちょっと期待している。
人間は快楽より苦痛を強く感じる?
一つの苦痛は十の快楽と同じほどの力を持つという。
苦痛は快楽より強力だ。人間は、幸福には気づかないが、不幸にはすぐ気づく。
これは薄々感じていることだった。
「無くして初めてそのありがたさに気が付く」というあれのことだ。
私もこれは思い当たる。
普段はなんとも感じていない元気な体。これがひとたび熱でも出ようものなら、毎日普通に行動できていた有難さが身に染みる。小さい口内炎一つで食事が思うようにできない不便さだ。そしてずっとこの口内炎が気になり続ける。
人は間違いなく苦痛を快楽「気持ちいい」より強烈に感じる。
ショウペンハウワーは10倍と言ったが、100倍と言っても私は良いと思う。
特に健康。健康を意識することは、普段から意識しておきたい大事なことだ。
そして幸せも多分なくして初めて、強烈に幸せに気が付くのだろう。
・・・なくしてから気が付くって、私は避けたいけどね。
でも多分これは避けられないのかもしれない。
苦痛を避ける。そして来たら耐える
ショウペンハウワーは指摘している。
快楽よりも苦痛のほうがその持続性や強度がはるかに強いため、快楽を追い求めるより苦痛を減らすことに力をつくす必要があると。
これは当然のことだ。苦痛が幸福より強烈に感じるということが人間のデフォルトである以上、苦痛を減らす対応は合理的だ。
そして、苦痛直面したとき、それに耐え抜く忍耐力をもつことが幸福な人生には必要だという。死を受け入れる話とも通じるものがある。
苦痛を避けることが、快楽、幸福を追い求めるより優先すべきことだ。
そしてそれでも苦痛はくるだろうから、それに出くわした時は苦痛を耐える忍耐力を持て。そういうことだろう。
私は幸福ばっかり追っていたかもしれないな。
ちょっと反省したのである。
著者はいう。ショウペンハウワーに言わせれば
「世界で最も大きな幸福を享受している人は、より不幸でない人生を生きる勇気を持ち、どうにかこうにか苦痛に耐えながら、日々を黙々と生きているひとなのである」と。
なんと、私はもしかして世界でもっとも大きな幸福を享受しているのかもしれない。
そしてあなたも、そうなのではあるまいか?
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