怒鳴られた朝のことを、今でもはっきり覚えている。あの時の私は知らなかった、使える相談窓口があったことを。
仕事関係で悩んだことはないだろうか?
いじめられてつらい思いをしたことはないだろうか?
私も実はある。
前職で天敵が出現したのである。
もちろん天敵はハラスメントをしていた意識はなかっただろう。
だけど私に言わせれば、好き嫌いの塊、自分の感情に任せる男のヒステリータイプのハラスメント気質の人間だった。
ハラスメント問題とは、双方の言い分が真っ向から対立することが多い。
私が天敵おやじに「ハラスメント」だって訴えても、天敵は認めはしないだろう。「指導した」って主張すると思う。私の場合は賃金未払いなら請求できたとは思うけれどハラスメントは難しかったと今は感じる。
物的証拠がない上相手の性格の問題だったからだ。
そう、ハラスメントは第三者にハラスメントがあったことを証明することがなかなか難しいし、事件性が立証しにくいのが現状だ。
私が受けたハラスメントについて
私のことを話そう。
あれは勤続18,19年目くらいだっただろうか。
突然の人事異動で天敵が私の上司としてやってきたのだ。
仕事のやり方が違うため、最初から不協和音だった。
今にして思えば。
斜陽の会社は早朝ミーティングなるものを始めた。30分早く来て数字のことなどを話し合うみたいな感じだったかな。
もちろん無給。もちろん命令で出席は必須。
この時点で私は納得いかなかった。会社命令なのに無給っておかしい。しかも毎週だった。ちりも積もれば山となるである。それでもちゃんと集合時間には出勤していた私。しかし、天敵おやじにすれば来るのが遅かったらしい。
「おい、こっちへ来い」と出勤してすぐ呼び出され
「何を考えてる!後輩のほうが先に来て掃除してるじゃないか!!」と怒鳴られた。
ものすごい剣幕だった。
多分天敵おやじにしても私に対する不快感がマックスに達していたのだろう。
ちょっとしたことで噴火する火山。
えっ、て感じだった。びっくりして言葉が出てこなかった。
私は赤の他人に怒鳴られたことが正直なかった。
青天の霹靂。
正直びっくりしたと同時に、この人、怖いと感じた。人間は自分の尺度で測れない存在には恐怖を抱くらしい。
そして賃金を払うという会社の義務を果たしていないのに、要求だけしてくるこのブラック零細企業の体質に腹が立っていた。
しかし、私は無言で耐えた。労務管理のろの字もない会社だから仕方ないのかもしれない。
社長も同席していたが、これまた無能。そして無言。
常軌を逸した事件だった。私にとって。
だから未だにはっきりあの場面は覚えている。衝撃の一撃。
ただ、このことだけを持ち出して何かするのは無理があったと冷静に感じる。
この事件の後、私はすぐ退職することになる。
ちょうど転職が決まりかけていたタイミングだった。そのまま退職を決めた。
こんな人間のそばにいたら、命が削られる・・・私は命の危機を感じた。
それだけは覚えている。
立つ鳥跡を濁さず。私は無言で立ち去った。
私はこの件は無言で円満退職した。
不快感は残るものの、私が選んだ結果だ。
賃金未払いも山のごとしの会社だったから、払わせることもできた。
でもやめた。
退職してまで関わりたくないから。仮にもお世話になった会社だ。ブラック零細といえども禍根は残したくなかった。
さらに関わる時間が惜しかった。
退職できた私の心境としては塩でも撒きたい気分だった。
これは私の場合の、私の判断だ。
怒鳴られた案件は、今にして思えば本人に対して謝罪を面と向かって求めればよかった。
黙ったまま去ってしまったが、加害者と対峙するべきだったかもとちょっと思う。
非のないことで怒鳴られっぱなしは気分が悪いからね。
泣き寝入りはいやだって人はどうするべきか。
いやいや、私は許せないのよって人向けに少し書こう。
そういう気持ちになるのはよくわかるからだ。正直、今の私は「これくらいのことよくある話だ」、残念ながらこうした出来事は珍しくないとも思っている。でもだからこそ、当時の私みたいに声を上げにくい人が多いんじゃないかとも思う。
それを踏まえてあえて一言。
難しいことだとは思うが、加害者に向き合えれば向き合って相手の非を指摘するのはありだと思う。多分それが一番問題解決できる。
それが難しい人は正当な制度で対応していく方向だ。
ハラスメントを働いた個人が許せないのだったら民事で争うしかない。
裁判ってことだ。
そこを見据えるのであれば証拠はあったほうがいい。
録音、録画、なんでもいい。証拠として認められるかは賛否両論あるものの、ないよりあったほうがいい。それは言えると思う。
突然の被害にあうこともあるし、じめじめねちねち繰り返す場合もある。
どう証拠を残すのか事前に考えておいたほうがいいといえそうだ。
会社に対して補償を求めることもできる。
会社はハラスメント防止義務を負っている。安全配慮義務も負っている。
あなたが会社でのハラスメントのために、何らかの被害を被ったのであればその被害に対して「損害賠償」を求めることは可能だ。
労働局で利用できる制度
そのとき利用できるのが労働局にある総合労働相談コーナーである。
ここでは法的にいかなる手段があるのかという説明をしてくれる。
あくまで一般的な説明にとどまるが、法律に詳しくないのであれば聞いてみる価値はある。そしてさらに会社に対して助言指導ができる。
これは、あくまで助言であり、ハラスメントであるかどうかの判断はしないし、できない。
あなたがどんなひどいことを言われたとしても、ハラスメントかどうかはわからないとしかいわないだろう。判断はできないから。
だから仮に当時の私が相談していたとしても、「ハラスメントの可能性はある」程度の話だったと思う。
司法以外でハラスメントの判断ができるところはない。
あなたが話し合いで社内の問題の解決をしたいのに、その話し合いを会社がしないときは話し合いをするよう助言してくれる。先ほども書いたが、会社にはハラスメント防止義務があるから話し合いの機会は持つべきなのである。
それでもうまくいかないときは、あっせん制度の利用も可能だ。
これは会社と労働者との間に、労働局と専門家が立って金銭的解決を図る制度である。
1回だけの強制力のない制度だけれど、利用価値はあるのではないか。
当事者どうしだと会社も従業員も感情的になって決裂することもあるだろう。
第三者を間に立てるともしかしたらうまくいくことがあるかもしれない。
無料だし、守秘義務はもちろん守られる。
監督署、労働局でできる手続きはここまでである。
行政のサービスの一つなので利用する価値はある
もしあなたが過去の私のように「これはハラスメントだ」っていやな思いをしているのなら、事の始めとして
一度総合労働相談に電話してみるのは手段として良いと思う。
自分一人で考えていると、思考は袋小路にはいってしまうから。
自分の思い込みにとらわれてしまうから。
気が滅入るだけ。
時間がもったいない。
第三者の、法律にのっとった意見が聞けるのはありがたい。
私は労働局に相談することで根本的に問題解決するとは正直ないと思う。
そこで解決できれば、裁判はないはずだからだ。
実際には労働問題の裁判は増えている。
それだけ争いが多いということだ。
しかし裁判まですれば労力、時間、お金すべてが必要になる。大変な負担だ。
だったら、行政に相談も一歩としては悪くないと思うがいかがだろうか。
あなたが総合労働相談に相談したことが、あなたの同意なく行政の口から漏れることはない。守秘義務は厳守してくれる。
悩むくらいなら相談してみてほしい。
解決には至らずとも、新たな可能性が見えてくるかもしれない。
労働問題は100例あれば100通りだ。
私が書いたこの記事もあくまで私見であり、参考程度に読んでほしい。
悩んでいる人の心がちょっとでも軽くなれば、うれしく思う。
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