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「殺されることがわかってるのかねぇ」|『銀の匙』が思い出させた、50年消えなかった問い

50代になって、新しい扉が開いた話
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銀の匙第1期を見た気付きは①に書いた。
今回はこのアニメを見て、10代からの自分の中の「問い」を思い出したことを書いてみたい。

ずっしり響く「命の重さ」

私の中にあった問い。「動物の命を頂くということはどういうことなのか?動物の命の重さはどう捉えたらいいの?」ってことだ。
Aが担当した豚。もちろん大きく太らせて出荷して肉にするための「命」である。
子豚のときから決まっている運命。
Aはその豚に名をつけてかわいがる。そして出荷のために育てていく。
・・これって私の嫌な展開じゃないか?この豚、殺されちゃうよ・・
豚も懐いてそれはそれは本当にかわいらしい。

「この豚を殺す?そして食べる?」
そりゃ、そうなる。頭ではわかっているが煮え切らない思い。

私はかわいい豚が描かれるたびに号泣した。この問いを思い出していたからだ。「こんなかわいい子を殺すなってこと、頭では理解できても感情が理解を許さない」私はAと一緒に悩んでいた。

昔、考えていた問い。答えが見つからず忘れていた

動物の命を頂くとはどういうことなのか。
子供の時、これに対して考えたことがある。「わからない」でそのあと忘れた。
その後、大学の授業で「牛のと殺場を見学した話」を教授がした時も考えた。
やっぱりわからないし考えたら暗くなるのでやめた。
それがこのアニメで真正面から問われた気がした。
「動物の命を「私」が食べるとはどういうことか?」
それは当たり前のことで、深く考えることじゃない。
そうとも言える。
「かわいそう」いや、それはそうなのである。
殺されるために生まれて育てられるとはどういうことなのか。
それって家畜たちはどう感じているのだろうか?逃げ場のない経済動物の宿命。
(彼らは好きでそんな宿命を背負ってるわけじゃない。当然そうだ)
酪農家は「当たり前」と思わないとやってられないだろう。無感覚にならないとできないだろう。
恐らくこれは間違いない。
いちいち可哀そうとか、命の重さとか言っていたら気が狂う。

酪農家は一度は向き合っているだろう問い

以前聞いたことがある。肉牛を飼育している農家さんからだ。
牛は出荷されるとき、鳴いて嫌がって抵抗するらしい。

「殺されることがわかってるのかねぇ。」

そう言いながらいつもそのおばあさんは泣いてしまうと語ってくれた。
それを聞いて私も泣いてしまった。
そばにはかわいい牛たちがいた。

生き物は寿命を全うさせたい

私は生まれてきた命は「寿命」をまっとうすべきという思いがあることに気が付いた。
せっかく生まれてきたんだ。
寿命が尽きるまで天寿全うさせてやりたい。
それが命の意志だと思う。
この自分の気持ちと反する行為だから、私はひっかかる。
しかし人間は食べないと生きられない。
Aも言っていた。

「肉、おいしい。俺はベジタリアンにはなれない!!」

ってね。
私も自分の身体的欲望、「おいしいものを食べたい」には負けてしまう。
その矛盾。

それに動物愛も絡んでくるから感情的になるし、思考が泥沼化する。
難しい。

まだ50年以上生きてまだ、答えは出ない

私は「生き物の命を食べるとはどういうことなのか?」の問いに答えを出せていない。

スーパーではプラスチックに入った品物として肉を見ている。
高い安いばかり気にしている。
「命」についてはすっかりお払い箱の日常だ。

それで良いのでは・・と思う。

ただ、頂くときは「頂きます。ありがとう」と常に感謝の念は置いておきたい。上辺だけになるかもしれないが「頂く命」は心に留めておきたい。

このアニメは、重い問いを私に思い出させてくれた。
根本的な問い。解決できないから記憶から消していた問い。

私はA同様、「達観して居座る」ことができない人間なのだろう。
悩んで考えても、多分、答えは出てこない予感がする。
それを含めて受け止めていきたい。

同じアニメを見て、もう一つ気づいたことがある。「逃げたことをプラスに変える」という話は、こちらに書いた。
「あの時逃げてよかった」|アニメ『銀の匙』が21年前の自分を許してくれた

こうした気づきも、私の中では一本の線でつながっている。このブログ全体の考え方はお金の話ばかりじゃない理由|50代おひとり様がこのブログで伝えたいこと

命を犠牲にしていいのか、という同じ問いをクローン人間について考えたこともある。こちらに書いた。
「クローンの私」を「私」のために犠牲にして良い?|「わたしを離さないで」を読んで考え込んだ話

にまとめている。

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